武るり子さん。
武さんは、平成8年11月、当時高校1年生だった長男を暴行事件により亡くされました。翌平成9年には、少年犯罪被害当事者の会を立ち上げ、少年犯罪の被害者が1人で悩まないよう被害者への相談や情報提供を行うとともに、子どもたちが被害者にも加害者にもならないよう、自分たちの体験や少年法の課題等を広く社会に訴える活動をしています。
本校では、武るり子さんをお招きして、3月14日(木)「命の大切さを学ぶ授業」を行いました。
我が子のことなのに、事件当時は、事件について全く知らされることがありませんでした。もちろん、遺族の方が集まったり話をしたりする場もありませんでした。そんな状況下で、学生たちとの話がきっかけとなって立ち上げたのが、少年犯罪被害当事者の会でした。
「ルールを守って正々堂々と言っていきたかった」こう述べた武さんは、この28年間を振り返りました。
犯罪被害者というだけで見られたり言われたりする。「そういう家庭なんだ」「被害者にも落ち度があるのだろう」 偏見やうわさに対し、「うわさ(情報)が流されてきても、これは正しいかどうかを見る目、考える力をもってほしい」と武さんは訴えます。
そして、自分の息子さんのこと、家族のこと、そして事件のことを静かに話していきます。
はじめとおわりの会を含めて、75分ほどの時間でしたが、あっという間に過ぎていった時間でもありました。
本校では、人として大切なことを考える、その機会として、今後も「命の大切さを学ぶ授業」を実施していきます。